さらに、ピクセルサイズが5.86μと大きいので感度は高いのだけど、ピクセルサイズが小さい機種と比べると小さく写ってしまう。感度は同等かそれ以上、ピクセルサイズが小さい機種を選んでみたら、惑星向きのカメラが見つかるかもしれない。
上杉さん、HIROPONさんが言及していたASI290MMを検討したい。けど、ここは個人的な趣味でZWOじゃなくてQHYを選びたい。スティックのりみたいな形が好きなんですよ。
QHY5III174M/C
有効チップサイズ:11.34mm×7.13mm(16:9)
画素数:1936×1216
ピクセルサイズ:5.86×5.86ミクロン
QHY5III290M/C
有効チップサイズ:5.6mm×3.1mm(16:9)
画素数:1920×1080
ピクセルサイズ:2.9×2.9ミクロン
上記のカメラで実際にどんなふうに写るのか、Stellariumでシミュレートしてみた。鏡筒はR200SSとC5でどちらにも3倍バローだけを噛ませてみる。
まずはR200SS。断然、QHY5III290Mの方が大きく写ってる。それに比べればQHY5III174Mは豆粒。こんなに差があるとは。
次はセレストロンC5とQHY5III290Mの組み合わせ。3倍バローでここまで大きく映れば十分な気がするよ。
実際はこんなに大きく写るのかな? 以前、勉強した「バローレンズの適正な倍率」を計算してみる。
バローレンズの適正な倍率を計算してみる
http://tentaip.seesaa.net/article/455331450.html
R200SSの解像度(遮断空間周波数)は 500で、C5のそれは 200。
QHY5III290Mの解像度(ナイキスト周波数)172。
必要な拡大率は、R200SSとQHY5III290Mの組み合わせで2.9、C5とQHY5III290Mの組み合わせで1.16になった。C5とQHY5III290Mの組み合わせでは、3倍は適正な倍率を大きく上回っているから、上のように写ることは期待できないってことかな(大きさは確保できるけど、像がぼけぼけとか?)。
R200SSとQHY5III290Mの組み合わせだとドンピシャな感じだけど、逆に言うと、これが適正倍率の限界?
じゃあ、鏡筒をEdge HD 800にしたらどうなんだろう? Edge HD 800 はFが10だから、Edge HD 800 の解像度(遮断空間周波数)は C5と同じ。ん?そうなの? QHY5III290M使ったら、Edge HD 800は、1.16倍が適正なの? R200SSの3倍バローとEdge HD 800のバローなしを比較した。カメラはQHY5III290Mを想定。
R200SSの3倍バローと大きさがあんまり変わんないじゃん? 口径20センチならどれも似たり寄ったりってこういうこと? カラー版を選択したら6倍までは耐えるんだっけ? カメラ選びもいいけど、疑問が増した。また勉強する。
#先のエントリー「バローレンズの適正な倍率を計算してみる」では、HIROPONさんから「カメラ感度が高ければさらに倍率を高くしてもいいかも」「R200SSはアイピースによる拡大が向いているかも」。また、あぷらなーとさんからは「画像処理が進歩したから、結構な拡大率でも大丈夫かも」という趣旨のコメントをそれぞれいただいています。
この記事へのコメント
cockatoo
ASI1600MCの撮像素子サイズが大きいことが何か問題があるとすればカメラのサイズが大きめになることぐらいでしょうか?(冷却機構付きだとさらに重いですか・・)
クロップすればフレームレートもちゃんと向上しますし、導入段階ではクロップせずに使えば、導入も楽ですよね。
にゃあ
http://www.damianpeach.com/
http://jupiter.cstoneind.com/
鏡筒の口径とそれが生かせるシーイングがまずはポイントだと思います。
口径が大きくなるほどシーイングの影響を強く受ける(その結果大口径ほどその能力を生かせるチャンスが少ない)と言われますが、経験的にもそう思いますね。自分の場合、昨年は結局C6を上回る木星や土星の画像をC11で得られませんでした。
光軸が合っていないこともあるかもしれないと、光軸をもっとしっかり合わせようと思いトライバーティノフマスクの開発に参加したのもそのせいですね・・・
cockatoo
上のコメントもcockatooです^^;
にゃあ
メモ
http://svg2.mbsrv.net/astro/Tri-Bahtinov.html
けむけむ
今ある機材でやってみる派です。
機材に逃げません(キリッ!)
にゃあ
cockatoo
stellariumで同じようにASI1600MCを使って表示してもとても小さい惑星が出るだけですね。しかし、赤枠に対する惑星の大きさにはほとんど意味はなく(せいぜい導入がしやすいかどうかぐらい)、意味があるのは右下の数字(1ピクセルあたりの画角~惑星の画角で割れば惑星が何ピクセル四方で撮れるのかがわかる)の方ですね。
ASI290や174を使ったとしても撮影はクロップして行うので、同じように赤い枠に意味はあまりないでしょう。
クロップの理由は、後処理を高速化するということもありますが、それよりも特に木星の場合、自転がとても速いので、なるべく多くのフレームを短い時間に稼ぐことが好ましく(さもないとWinJUPOS・・)、USB3.0といっても画像転送がフレームレートを律速してしまう事態を防ぐためですね。ASI1600のような画素数が多いカメラの場合は必須でしょう。
にゃあ
cockatoo
木星の視直径は大体40秒程度ですので、それをこの値で割れば木星が何ピクセルぐらいで写るかわかりますよ。
補足ですが、
望遠鏡の分解能も通常は角度(画角)の単位で表現されます。たとえばR200SSの分解能はVixenのページでは0.58秒と書かれていますね。(wikipediaなどで望遠鏡の分解能を調べれば計算式がわかると思いますが、基本的には口径によって分解能が決まります。)
木星(の画角)は40秒程度ですから(シーイングがよければ)木星面の大体70分の1程度の模様が識別できるということでしょう。さらに言えば、この模様が撮影できるように画素ピッチを選択すれば良いということになります。
これが、HIROPONさんのページに書かれている内容ですね。ただし、計算されていたナイキスト周波数や遮断空間周波数は、それぞれ焦点に結像した画像に対して評価しているものになっています。
にゃあ